2015年12月31日木曜日

『Miles Davis Volume 1 』BLP 1501

 
1952年5月9日録音(A-5、B-1,2,3,4,6)
マイルス・デイヴィス - トランペット
ジャッキー・マクリーン - アルト・サックス(ただしA-5、B-3には不参加)
J・J・ジョンソン - トロンボーン(ただしA-5、B-3には不参加)
ギル・コギンス - ピアノ
オスカー・ペティフォード - ベース
ケニー・クラーク - ドラムス
 
1953年4月20日録音(A-1,2,3,4,6、B-5)
マイルス・デイヴィス - トランペット
J・J・ジョンソン - トロンボーン
ジミー・ヒース - テナー・サックス
ギル・コギンズ - ピアノ
パーシー・ヒース - ベース
アート・ブレイキー - ドラムス 
 
Tracklist
A1 Tempus Fugit Written-By  Bud Powell   
A2 Kelo  Written-By  Jay Jay Johnson  
A3 Enigma Written-By Jay Jay Johnso  
A4 Ray's Idea Written-By Fuller, Brown   
A5 How Deep Is The Ocean Written-By Berlin   
A6 C.T.A. (Alternate Master) Written-By Jimmy Heath
  
B1 Dear Old Stockholm Written-By [Varmeland] Traditional   
B2 Chance It  Written-By ? Oscar Pettiford   
B3 Yesterdays  Written-By Kern, Harbach   
B4 Donna (Alternate Master) Written-By McLean  
B5 C.T.A. Written-By Jimmy Heath
B6 Would'n You (Alternate Master) Written-By Gillespie*

Label: Blue Note BLP 1501
Format: Vinyl, LP, Compilation, Remastered, Mono
Country: US 
Released:  Nov 1955 
Genre: Jazz
Style: Bop

アルバム・ストーリー
1952年、26歳のマイルス・デイヴィスに仕事はなかった。この数年というものドラッグに溺れ、名うてのジャンキーとして勇名を馳せていた。ジャズ・クラブのオーナーは門戸を閉ざし、レコーディングの機会もない。ジャズ・ミュージシャンほぽ全員が似たり寄ったりの状態、そんな時代だった。だがマイルスはすでに若きスタ-の座につき、しかも「クリーン」が売り物だった。あのマイルスが堕した。転落は好奇の目を集め、いっきに「過去のスター」扱い。「マイルス?ああ、そういえばいたな」。1952年の1年間を通じてマイルスが行なった公式なレコーディングはわずか6曲しかない。

アルフレッド・ライオンがなぜ「終わった」マイルスをレコーディングしたかに対する回答は、そのままなぜライオンがチャーリー・パーカーを一度もレコーディングしなかったのかという問いに対する回答をかねる。「二人とも重度のドラッグ中毒だったが、人間的にみてマイルスにはいいかげんなところがなかった」(ライオン)。 いいかえればマイルスには更生する意思があった。パーカーにはその気すらなかった。

ライオンとマイルスが、契約書もなく「年に1度」のレコーディングを約束したとき、卜ランペッターはすでにドラッグの渦中にあった。だが約束は1952年から履行され、以後53年54年と継続される。ライオンは当初それらを年代別に3枚の10インチLPに分けて発売、12インチLPの時代になって未発表として眠っていた別テイクを加えて2枚のアルバムとする。”オールスターズ”という名称は、すでに10インチ発売時につけられていた。『Vol.1』には、52年と53年のレコーディングが集められている。さぞやひどい出来だろうと思うのは、演奏に耳を傾けるまでの話だ。

《ディア・オールド・ストックホルム》や《ウディン・ユー》は、このドラッグにまみれた「過去のスター」が本質的なものをなにひとつ失っていなかったことを伝える。そして「未来の帝王」は、ドラッグの海に溺れていようと妥協を許すことはなかった。《イエスタディズ》をうまく演奏すること、ができなかったジャッキー・マクリーンは、オプリガートを吹くことさえ禁じられる。耳に残るマイルスの篤声。
マクリーン、20歳の思い出。


マイルス・テ'イヴィス(tp)
ジャッキー・マクリーン(a5)
J.J.ジョンソン(tb)
ジミー・ヒース(ts)*
ギル・コギンス(p)
オスカー・ぺティフォード(b)
パーシー・ヒース(b)*
ケニー・クラーク(ds)
アート・ブレイキー(ds)'

1 TEMPUS FUGIT'
テンパス・フュージット
2 KELO*
ケ口
3 ENIGMA*
エニグマ
4 RAY'S IDEA*
レイズ・アイデア
5 HOW DEEP IS THE OCEAN
ハウ・ ディープー・イズ・ジ・オγャン
6 ('T.A.*
C.T.A. (別テイク)
7 DEAR OLD STOCKHOLM
ディアー・オールド・ストックホルム
8 CHANCE IT
チャンス・イット
9 YESTERDAYS
イエスタディス'
10 DONNA
ドナ( ~'J テイク)
11 C.T.A*
 C.T.A
12WOULD'N YOU
ウディン・ユー(別テイク)

1952年5月9日
1953年4月20日・録音
Producer:Alfred Lion
Engineer:Ooug Hawkins
Recorded at WOR Studio
Cover Photo:FranCIs Wolff
Cover Design:John Hermansader/Aeid Mile



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