『Time Waits: The Amazing Bud Powell (Vol. 4) 』BLP 1598

TracklistAll songs composed by Bud Powell.
1."Buster Rides Again" -5:30
2."Sub City" -4:32
3."Time Waits" -5:06
4."Marmalade" -4:28
5."Monopoly" -4:47
6."John's Abbey" -5:36
7."Dry Soul" -6:41
8."Sub City" [alternate take] -2:36
Personnel
Performance
Bud Powell -piano
Sam Jones -bass
Philly Joe Jones -drums
Production[edit]
Bob Blumenthal -liner notes
Leonard Feather -liner notes (original LP)
Alfred Lion -producer, original session producer
Reid Miles -cover design
Rudy Van Gelder -recording engineer, mastering
Francis Wolff -photography, cover photo
アルバム・ストーリー
天才アルト・サックス奏者チャーリー・パーカーは、その驚異的なスピードでくりひろげる演奏もさることながら数々の奇行でも知られていた。「クレイジーな天才」マスコミはそう呼び、共演ミュージシャンやジャズ・クラブのオーナーが閉口することもしばしばだった。そのパーカーのサイドメンだった若きトランペッター、マイルス・デイヴィスは、パーカーがあまりパド・パウエルと演奏したがらないことに腹を立てていた。パウエルはマイルスがいちばん好きなピアニストだ。マイルスの言葉を聞くと、パーカーはチキンにむしゃぶりつきながら言った。「馬鹿なこと言うな。あいつは俺よりもクレイジーなんだぜ!」
1958年の5月と12月、アルフレッド・ライオンはパウエルを二回にわたってレコーデイングする。すでにパウエルの演奏から鬼気迫るものは失せ、かろうじて残っていた”天才の断片” を拾い集めるような時期を迎えていたが、それでもパド・パウエルはパド・パウエルだった。かつてパウエルを”真の天才”(TRUE GENIUS)と賞賛した人聞は、いまや”病んだ天才”(ILL GENIUS)よ揶揄するようになっていた。だがライオンは、病んだ天才 をレコーディングしつづける。
「1598」には、5月のレコディングから8曲が収録された。メンバーは、ともにパウエルと初共演になる相手だ。ベースがサム・ジョーンズ、ドラムスがフィリー ・ジヨー ・ジヨーンズ。パウエルは収録曲のすべてを書き下ろし、《シヨンズ・アビー》と《サプ・シティ》にてこずったものの他の曲はほとんどワン・テイクで完成させる。
12月のレコーディングは、4000番台に入って『ザ・シーン・チェンジズ』(4009)としてまとめられる。ベースはポール・チェンパース、ドラムスはアー卜・テイラーだ。ブルーノートにおける2回のレコーディングが終わった直後、パウエルはパリに飛び立つ。裕福なパウエル信者によって招かれたのだ。パウエルがパリに滞在していた期間は、1959年から64年に及ぶ。だがそのうちの2年間を病室で過ごす。1963年5月、パリで行なわれたテナー・サックス奏者デクスター・ゴードンのレコーディングにつきあう。それがブルーノートにおけるパウエルの最後の録音だった。






















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