『Patterns in Jazz』BLP 1517
Studio album by Gil Melle
Tracklist
All compositions by Gil Melle except as indicated1."The Set Break" - 4:48
2."Weird Valley" - 5:13
3."Moonlight in Vermont" (John Blackburn, Karl Suessdorf) - 4:52
4."Long Ago (And Far Away)" (Ira Gershwin, Jerome Kern) - 4:32
5."The Arab Barber Blues" - 9:05
6."Nice Question" - 8:17
Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on April 1, 1956.
Personnel
Gil Melle - tenor saxophone, baritone saxophone
Eddie Bert - trombone (tracks 1-4)
Joe Cinderella - guitar
Oscar Pettiford - bass
Ed Thigpen - drums
Studio album by Gil Melle
Released:1956
Recorded:April 1, 1956
Genre:Jazz
Length:36:47
Label:Blue Note
Producer:Alfred Lion
「ギル・メレはいいバンドをもっていた。彼はそのバンドで4曲をレコーディングし、それはプログレッシヴ・レコードから出たと思う(注:実際はトイアンフ・レコード)。アルフレッドは、その”サウンド” に惹かれた。つまりレコーディングされた”音質”にということだ。そこでライオンは音源を買い取り、あらたに4曲をレコーディングして10インチLPで出そう考えた。
アルフレッドはメレの4曲、が入っているレコードをもって、あるエンジニアのところに行った。そして、こう言ったそうだ。”このサウンドが欲しいんだ”だがそのエンジニアはこうこたえた。”私には無理だ。誰かほかのエンジニアを探してくれ”。私がその”誰か”だったってわけだ(ルディ・ヴァン・ゲルダー)
「あるエンジニアことを話したが、アルフレッドは気乗りがしない様子だった。だが彼はとにかくそのスタジオに行った。彼はスタジオを見回した。エンジニアはいくつかレコーディングしたテープを聴かせた。アルフレッドが私のところにきて言った。”こにしよう”そうしてアルフレッド・ライオンとルディ・ヴァン・ゲルダーは出会った」(ギル・メレ)
ブルーノートの代名詞である”ヴアン・ゲルダー・サウンド” の生みの親は、21歳のギル・メレが自主制作に近いかたちで録音した4曲の「オト」だった。建築学や幾何学の要素をジャズに取り入れ、ジャズの新しいパターンを創造する。ギル・メレはそう考えた。すでにブルーノートには先の4曲を含む4枚の10インチLPを残していたが、デザイナーとしても腕をふるい、何枚かの10インチのジャケットを”幾何学的デザイン” で彩っている。その名も『パターンズ・イン・ジャズ』は、この”変わった若者” が12インチの時代になってはじめて取り組んだアルバムとなる。
ギルが作曲したオリジナル曲は、テーマ部分がまるで複雑な構造をもった建造物のように入り組み、まさに幾何学的パターンを描きつつ展開する。おそらくはもっともリハーサルを要したレコーディングだったにちがいない。緻密にアレンジされた、一寸の狂いもないサウンドの建造物。だがそれはニューヨークの実験的なジャズが大陸を隔てた西海岸のジャズとつながっていたことを「50年後に」伝えるものとなる。
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