2015年12月28日月曜日

『The Amazing Bud Powell, Vol. 2』BLP 1504

 














The Amazing Bud Powell, Vol. 2

Tracklist
1955 12" LP (BLP 1504)
1."Reets and I" (Harris) 3:18
2."Autumn in New York" (Duke) 2:51
3."I Want to Be Happy" (Youmans, Caesar) 2:50
4."It Could Happen to You" (Van Heusen, Burke) 3:13 (1951 session)
5."Sure Thing" 2:39
6."Polka Dots and Moonbeams" (Van Heusen, Burke) 4:00
7."Glass Enclosure" 2:21
8."Collard Greens and Black-Eyed Peas" (Pettiford) 3:01
9."Over the Rainbow" (Harold Arlen, E.Y. "Yip" Harburg) 2:57 (1951 session)
10."Audrey" 2:54
11."You Go to My Head" (J. Fred Coots, Haven Gillespie) 3:15 (1949 session)
12."Ornithology" (alternate take) (Benny Harris, Charlie Parker) 3:11 (1949 session)

アルバム・ストーリー
パウエルとのレコーディングを経験したライオンは、このピアニストが評判どおりの鬼才、評判以上のドラッグ中毒であることを思い知る。しかも情緒不安定ときてはレコーディングの結果は保証できない。そこで一計を案じ、2回目のレコーディングの前日にあたる1951年4月30目、ニュージャージー州イングルウッドの自宅にパウエルを招く。落ち着いた時間を過ごし、翌日いっしょにスタジオに行こう。そう目論んだ。だが翌朝、朝食をとっているテーブルにライオンが飼っている猫が跳びのった瞬間、パウエルは半狂乱に陥る。ナイフを手に猫を殺そうと追いかけ回すピアニスト。

マンハッタンに向かう途上、パウエルを病院に連れていくが、待合室にはすでに15人の患者が診察を待っていた。別の日に予約を入れて車に戻る。WORスタジオに到着すると、ベーシストのカーリー・ラッセル、ドラマーのマックス・ローチが待ちくたびれた面持ちで2人を迎える。パウエルがひと言、「ちっょっとトイレに行かせてくれ」。十数分が過ぎる。不審に思ったローチ、がトイレに行くと、そこにパウエルの姿はなかった。楽器を片づけはじめるローチとラッセルに「もうちょっと待ってみよう」とライオン。1時間と30分がたっぷりと過ぎたころ、どこかでキメてきたパウエルが上機嫌で戻ってくる。ピアノの前に座って第一声 "OK We're ready,Let's go!"

この日を最後にライオンがパウエルをレコーディングすることは、一度としてなかった。チャーリー・パーカーをレコーディングしなかった理由がそうであったように、ライオンはミュージシャンの気まぐれによってセッションが左右されることをきらった。もっとも、その後ライオンがレコーディングしようにもパウエルは電気療法を受けさせられ、廃人同然のありさまだった。

1953年、保護観察つきで社会復帰したパウエルにライオンが手を差しのべたとき、この壊れた天才 は、そのこなごなに砕け散った破片を拾い集めてふたたび"アメイジンググ"な演奏をくりひろげる。『Vol-1』と『Vol-2』2枚のアルバムに、1949年から53年にわたるパウエルとライオンの濃密な時聞が刻まれる。


パド・パウ工ル(p)
トミー・ポッター(b)
ジョージ・デュヴィヴィ(b)**
カーリー・ラッセル(b)*
口イ・ヘインズ(ds)
アート・テイラー(d)**
マックス・ローチ(ds)*
1 REETS AND I**
 リーツ・アンド・アイ
2 AUTUMN IN NEW YORK**
 ニューヨークの秋
3 I WA NT TO BE HAPPY**
 アイ・ウォント・トゥ・ピー・ハッピー
4 IT COULD HAPPEN TO YOU*
 イッ・クッド・ハプン・トゥ・ユー
5 SURE THING**
 シュア・シング
6 POLKA DOTS AND MOON-BEAMS**
 ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス
7 GLASS ENCLOSURE**
 グヅラス・工ンクロージャー
8 COLLARD GREENS AND BLACK-EYE PEAS**
 カラード・グリーンス'・アンド・ブラック・アイ・ピーズ
9 OVER THE RAINBOW*
 虹の倣方に
10 AUDREY**
 オードリー
11 YOU GO TO MY HEAD
 ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
12 ORNITHOLOGY
 オーニソロジー(別テイク)
1949年8月9日
1951年5月1日
1953年8月14日**録音
Producer:Alfred Lion
Engineer:Doug Hawkins
Recorded at WOR Sludio
Cover Photo:Francis Wolff
Cover Design:John Hermansader

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