2015年12月29日火曜日

『The Amazing Bud Powell, Vol.1 』BLP 1503

 














1949年8月9日録音(A-4,5、B-3,4,5)
バド・パウエル - ピアノ
ファッツ・ナヴァロ - トランペット(ただしB-4には不参加)
ソニー・ロリンズ - テナー・サックス(ただしB-4には不参加)
トミー・ポッター - ベース
ロイ・ヘインズ - ドラムス

1951年5月1日録音(A-1,2,3,6、B-1,2,6)
バド・パウエル - ピアノ
カーリー・ラッセル - ベース(ただしA-6には不参加)
マックス・ローチ - ドラムス(ただしA-6には不参加)
The Amazing Bud Powell, Vol.1
Tracklist
1956 12" LP (BLP 1503)
1."Un Poco Loco" (alternate take #1)- 3:46
2."Un Poco Loco" (alternate take #2)- 4:28
3."Un Poco Loco"- 4:42
4."Dance of the Infidels"- 2:50
5."52nd Street Theme" (Thelonious Monk)- 2:45
6."It Could Happen to You" (alternate take) (Burke, Van Heusen)- 3:12
7."A Night in Tunisia" (alternate take) (Gillespie, Paparelli)- 3:49
8."A Night in Tunisia" (Gillespie, Paparelli)- 4:12
9."Wail"- 3:02
10."Ornithology" (Harris, Parker)- 2:20
11."Bouncing with Bud" (Fuller, Powell)- 3:01
12."Parisian Thoroughfare"- 3:23

アルバム・ストーリー
そのグアメイジンググな24歳のピアニストは、ライオンが出会う以前から精神障害に冒されていた。最初に精神病の発作を起こしたのは1945年、21歳のときだ。以来このピアニストは入退院をくり返したのち、テナー・サックス奏者アイク・ケベックの紹介によってライオンの前に現れる。だが、ライオンは、同時に紹介されたセロニアス・モンクを「わかりやすい」 という理由から優先させ、パウエルをやんわり拒否する。おそらくはパウエルの悪評はライオンの耳にも届いていた。さらにはモンクを「わかりやすい」と判断せざるをえないほど、ライオンの耳にパウエルは難解にすぎた。

ライオンは「わかりやすい」モンクの初録音から2年後、その「難解な」パド・パウエルをレコーディングする。より「わかりやすく」するために通常のピアノ・トリオにトランペットのフアッツ・ナヴァ口、19歳の新人テナー・サックス奏者ソニー・ロリンズを加え、”バド・パウエルズ・モダニスツ”と命名したところにライオンの不安と商才が交錯する。

クインテット編成で4曲をレコーディングした時点でパウエルの本質はピアノ・トリオにありと見抜いたライオンは、2人のホーン奏者を帰し、以後の二曲をピアノ、ベース、ドラムスで演奏することを提案する。1948年8月、24歳のピアノの鬼才はブルーノート・フアミリーの一員になった、かにみえた。

ライオンは”モダニスツ”による4曲のうち、半数の2曲を「使えない」と反古にする。ピアノ・トリオでレコーディングした二曲は使えるが、それにしても10インチLPの片面にあたる4曲しかない。結果パウエル初のブルーノート盤は、さらに2年後、1951年の2回目のレコーディングから生まれた4曲を追加して完成する。この五一年の演奏は、ピアノ・卜リオとパウエルのピアノ・ソロによる。あくまでもピアノを重視したそれら4曲は、ライオンの「難解なピアニスト」に対する傾倒が本格化していたことを伝える。

『Vol-1』にはそれら2セッションに加えて、未発表を含む3種類の《ウン・ポコ・ローコ》、2種類の《ア・ナイト・イン・チュニジア》が「連続して」収録される。それは今日見られる無造作な編集ではない。そのか「塊」ことそがパウエルだった。
ファッツ・ナヴァ口(tp)
ソニー・ロリンズ(ts)
パド・パウエル(p)
トミー・ポッター(b)
カーリー・ラッセル(b)*
口イ・ヘインズ(ds)
マッヲス・ローチ(ds)*
1 UN POCO LOCO*
 ウンポコ・ローコ(テイク1)
2 UN POCO LOCO*
 ウンポコ・ローコ(テイク2)
3 UN POCO LOCO*
 ウンポコ・ローコ
4 DANCE OF THE INFIDELS
 異教徒たちの踊り
5 52nd ST.THEME
 52丁目のテーマ
6 IT COULD HAPPEN TO YOU*
 イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー(別テイク)
7 A NIGHT IN TUNISIA*
 チュニジアの夜(別テイク)
8 A NIGHT IN TUNISIA*
 チュニジアの夜
9 WAIl
 ウェイル
10 0RNITHOLOGY
 オーニソロジー
11 BOUNCING WITH BUD
 パウンシング・ウィズ・バッド
12 PARISIAN THOROUGHFARE*
 パリジャン・ソロフェア
1948年8月9日
1951年5月1日*録音
Producer:Alfred Lion
Engineer;Doug Hawkins
Recordeda at WOR Studio
Cover Photo:Francis Wolff
Cover Design:John Hermansader

0 コメント: