『Horace Silver Trio and Art Blakey-Sabu』BLP 1520
TrackList
Original LP
All songs written and composed by Horace Silver except where noted.
Side A
1. "Safari" (*) 2:47
2. "Ecaroh" (*) 3:10
3. "Prelude to a Kiss" (*) Irving Gordon, Irving Mills Duke Ellington 2:47
4. "Message from Kenya" (**) Art Blakey 2:47
5. "Horoscope" (*) 3:47
6. "Yeah" (*) 2:45
Side B
1. "How About You?" (**) Ralph Freed Burton Lane 3:40
2. "I Remember You" (**) Johnny Mercer Victor Schertzinger 3:52
3. "Opus de Funk" (**) 3:26
4. "Nothing But the Soul" (**) Art Blakey 4:07
5. "Silverware" (**) 2:34
6. "Day In, Day Out" (**) Johnny Mercer Rube Bloom 3:00
アルバム・ストーリー
マンハッタン、116丁目にあったレンタル・スタジオ、ナビーズは若いミュージシャン御用達だった。なにしろレンタル料が1時間で50セント、ホレス・シルヴァーとアルト・サックス奏者ルー・ドナルドソンはそのレンタル・スタジオでたまたま出会った。いっしょにやらないか。どちらからともなく言い出す。二人で借りれば一人25セントですむじゃないか。この節約がルー・ドナルドソン・カルテットへと発展する。ドナルドソンのほうがシルヴアーより二歳年上だった。ベースはジーン・ラミー、ドラムスはアート・プレイキー。
1952年、初夏。ドナルドソン・カルテットが出演していたクラブにアイク・ケベックがライオンをともなって姿をみせる。演奏を聴いたライオンはその夜、その場でレコーディングを申し出る。ただしライオンが興味をもったのは、ルー・ドナルドソンだけだった。だがドナルドソンはいまのグループでレコーディングすることを希望し、ライオンも承諾する。「そりゃそうだろ、曲が書けたのはホレスだけだったんだから」(ドナルドソン)その年の6月、ドナルドソン・カルテットはブルーノー卜で初のレコーディングを行なう。さらに二回目が同年10月に予定される。だが、待てど暮らせどドナルドソンが姿をみせる気配はない。すでにシルヴアーの才能を発見していたライオンが提案する。どうだい、君たちだけでレコーディングするっていうのは。ホレス、新しい曲はあるかな?
きのうも1時間50セントのレンタル・スタジオでリハーサルしたばかりだ。新しい曲?ほらこんなにあるさ。11日後、シルヴアーのトリオはふたたびレコーディングに臨み、それら二回のレコーディングからシルヴァーのブルーノー卜におけるデビュー作が10インチLP『イントロデューシング・ザ・ホレス・シルヴアー・トリオ』として登場する。
この「1520」は、そのデビュー作に1953年11月録音の7曲を加えて構成された。《ナッシング・パット・ザ・ソウル》はプレイキーのドラム・ソロ、《メッセージ・フロム・ケニア》はプレイキーとラテン・パーカッション奏者サブー・マルテイネスのデュエット。にもかかわらずグホレス・シルヴァーのアルバムとして成立している事実は、ライオンがすでにこの時点でシルヴァーの音楽が「どこからきたか」を知っていたことを物語る。
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