『The Opener』BLP 1567
Tracklist
All compositions by Curtis Fuller except as indicated
1."A Lovely Way to Spend an Evening" (Harold Adamson, Jimmy McHugh) - 6:52
2."Hugore" - 6:43
3."Oscalypso" (Oscar Pettiford) - 5:40
4."Here's to My Lady" (Rube Bloom, Johnny Mercer) - 6:43
5."Lizzy's Bounce" - 5:25
6."Soon" (George Gershwin, Ira Gershwin) - 5:33
Personnel
Curtis Fuller - trombone
Hank Mobley - tenor saxophone (tracks 2, 3, 5 & 6)
Bobby Timmons - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
アルバム・ストーリー
J.J.ジョンソンという天才的なトロンボーン奏者がいたにもかかわらず、トロンボーンという楽器に対する偏見がなくなることはなかった。あるトロンボーン奏者が嘆く。「映画でもテレビでもいいが、ちょっと色っぽい会話のシーンになると、たいていバックに流れてくるのは甘ったるいトロンボーンのサウンドだ」
先輩であるJ.J.ジョンソンがデトロイトで噂の若いトロンボーン奏者をライオンに紹介したところから、カーティス・フラーの忙しい1957年がはじまる。6月、テナー・サックス奏者クリフ・ジョーダンのレコーディング(1565) でブルーノート・デビューをはたしたフラーは、同じく6月にこのリーダー・アルバムを録音し、7月に入るとソニー・クラーク(1570)、8月にパド・パウエル(1571)、2枚目のリーダ
ー・アルバム(1572)、リー・モーガン(1575)、ジミー・スミス(1500番台につづ(4002・4011)に参加する。9月には再度ソニー・クラーク(1576)、ジョン・コルトレーン(1577)、飛んで12月に3枚目のリーダー・アルバム(1583)とルー・ドナルドソン(1591)がつづく。総数は半年間で11回に及ぶ。ただし、これはブルーノー卜だけの場合だ。このトロンボーン奏者はブルーノート・デビューをはたす直前、すなわちニューヨークにやってきた直後にあたる5月11日から18日にかけて、プレステイッジ・レコードで3枚のリーダー・アルバムをレコーディングする。それらとブルーノートを合わせたらどうなるか。22歳のトロンボーン奏者は、1年間で6枚のリーダー・アルバムをレコーディングした。
ライオンはフラーのブルーノー卜における初リーダー作のA面とB面のが”オープナー (1曲
目”にあえてバラードを収録する。《ア・ラヴリー・ウェイ・トゥ・スペンド・アン・イヴニング》と《ヒアズ・トゥ・マイ・レディ》だ。アルバムの最初にアップ・テンポの曲を置いた場合、誰もがJ.J.ジョンソンを思い起こし、それが”カーティス・フラー”であることがわかってもなお比較することは目にみえている。同時にライオンは、フラーの魅力がアップ・テンポによる演奏よりもバラード・タイの曲においてこそ発揮されるととを見抜いていた。
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