2015年12月20日日曜日

『Memorial Album』BLP 1526



















Tracklist
1."Hymn of the Orient"
2."Easy Living"
3."Minor Mood"
4."Cherokee"
5."Wail Bait"
6."Brownie Speaks"
7."De-Dah"
8."Cookin'"
9."You Go to My Head"
10."Carving the Rock"

Personnel
Tracks 1-9
Clifford Brown - trumpet
Lou Donaldson - alto saxophone
Elmo Hope - piano
Percy Heath - bass
Philly Joe Jones - drums
Tracks 10-18
Clifford Brown - trumpet
John Lewis - piano
Gigi Gryce - alto saxophone, flute
Charlie Rouse - tenor saxophone
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums


アルバム・タイトルに”メモリアル” 天才トランペツター、クリフォード・ブラウンはわずか25歳でこの世を去った。交通事故死だった。死後、ライオンはブルーノートに残されていた音源を集めて1枚の追悼盤とする。

アート・ブレイキー。「彼はいつもオンボロのトランペットを吹いていた。そこである日、新しいトランペットを買ってやるから楽器屋に行こうと誘った。だが彼は、このトランペットでいい、新しいやつはいらない、楽器なんかなんだっていいって言うんだ」クインシー・ジョー ンズ。「彼とはいっしょにライオネル・ハンプトンのバンドでヨーロッパに行った。みんなはブラウニーと呼んでいたが、私は”ポゴ”というニオックネームをつけた。新聞の連載漫画に出てくるフクロネズミの主人公ポゴと同じような帽子をかぶっていたからだ。彼の頭脳はコンピュータのようだった。よく音楽について質問したが、彼の答えはいつも決まっていた。グクインシー、音楽と数学は同じだよ”彼は私が書いた《ウェイル・ベイト》という曲をはじめてのリーダー・アルバムでレコーディングしてくれた」

クリフォード・ブラウンのリーダーアルバムを最初につくったのもライオンだった。その10インチ盤には通常のシリーズ名『ニュー・フェイシズ~ニュー・サウンズ』ではなく、あえて『ニュー・スター ・オン・ザ・ホライゾン』とつけた。だがブルーノートに残されていたトランペッターの音源はそれだけだった。そこでライオンは、アルト・サックス奏者ルー ・ドナルドソンと双頭リーダーでレコーディングしていた音源を抱き合わせて1枚のアルバムとする。収録時間の関係から2曲は削除せざるをえなかったが、クインシー ・ジョーンズにとって幸運なことに《ウェイル・ベイト》は生き残った。

《フラウニー・スピークス》。これが伝説のトランペッターによる伝説の3コーラスにおよぶ華麗なトランペット・ソロだ。フィラデルフィアのクラブでチャーリー・パーカーを驚かせ、ニューヨークのクラブでマイルス・デイヴィスを嫉妬させ、ヨーロッパでクインシー・ジョーンズを煙に巻いた若きトランペッターの演奏。人々がこのアルバムを聴いたとき、トランペッターはもういなかった。




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